4月を過ぎた頃から、夕方になると家の軒先や屋根まわりをコウモリが飛び回るのを見かけることがあります。「うちだけ?」と思いがちですが、実は住宅の軒天や外壁まわりはコウモリにとって非常に居心地のよい環境です。今回は、コウモリが家に集まる理由と、建物側からできる対策についてご紹介します。
なぜ4月〜夏にかけてコウモリが増えるのか
日本の住宅地でよく見られるアブラコウモリは、4月頃から活動が活発化し、5〜6月にかけて繁殖期のピークを迎えます。この時期、メスは出産・育児のために安全で暗い場所を探して行動し、人家の軒天や屋根裏に住みつくケースが増えます。
またコウモリには、一度気に入った場所に毎年戻ってくる帰巣本能があります。今年集まり始めたと思ったら、翌年以降もほぼ確実に同じ場所に戻ってくるため、早めに対処しておくことが大切です。
こんなサインがあればコウモリが来ているかもしれません
- 夕方、軒先や屋根のあたりをコウモリが飛び回っている
- 外壁や玄関まわりに黒い粒状のフン(直径3〜5mm程度)が落ちている
- 天井や壁の中からカリカリ・ガサガサという音がする
- 軒天まわりから独特のアンモニア臭がする
コウモリが集まる場所と、その理由
隙間があれば侵入する――軒天と外壁の取り合い部分
コウモリはわずか1〜2cmほどの隙間があれば侵入できると言われています。特に多いのが、軒天と外壁の取り合い部分にできる隙間です。建物の経年変化や施工上の開口部が、コウモリの格好の入り口になります。



隙間がなくても集まる――「狭い場所が好き」という習性

実は、完全に塞がれていても油断はできません。コウモリは体が何かに触れている狭い空間を好むという習性があります。外壁と軒天が接近している部分は、隙間がなくても「ここに潜り込みたい」と感じるコウモリが集まりやすい場所です。
実際に、目に見える隙間がないのに軒天に沿って何羽もコウモリが張り付いていたり、外壁と軒天のわずかな空間をねぐらのように使っているケースも珍しくありません。
軒先コーナーや入り隅部分
軒天のコーナー部分(入り隅)も要注意箇所のひとつです。板金の継ぎ目に微細な隙間が生まれやすく、三方が囲まれた形状がコウモリの好む環境と一致します。
コウモリを放置するとどうなるか
コウモリ自体は害虫(蚊・ガなど)を食べる益獣でもありますが、家に住みつかれてしまうとさまざまな問題が起きます。
- フンによる悪臭・害虫の発生……コウモリのフンはゴキブリやダニを引き寄せます
- 天井・断熱材へのダメージ……フンや尿が浸み込み、腐食やシミの原因になります
- 衛生面のリスク……コウモリは外来ウイルスや寄生虫を持つことがあります
- 翌年以降も繰り返す……一度住みついた場所には毎年戻ってきます
なお、コウモリは鳥獣保護法で保護されている動物です。許可なく捕獲・殺傷することは法律で禁じられています。追い出すことはできますが、専門知識がないと誤って閉じ込めてしまうリスクもあるため注意が必要です。
建物側からできる対策:コウモリ板金とつばめ返し
コウモリ対策は、忌避剤などで一時的に追い払う方法もありますが、根本的な解決には物理的に居場所をなくすことが効果的です。建物への施工として代表的な方法を2つご紹介します。
① コウモリ板金(軒天板金)
外壁と軒天の間に板金を設置して、隙間を塞ぐとともにコウモリが張り付けない形状にする方法です。隙間を完全に閉塞できるため、侵入防止として最も確実性が高い対策のひとつです。板金は現場に合わせて加工するため、既存の外観と馴染みやすく仕上げることができます。

② つばめ返し(コウモリ返し)
つばめ返しとは、軒天の下端や外壁の突出部に斜めに角度をつけた板(または板金)を取り付け、コウモリや燕がしがみつけないようにする方法です。もともと燕の巣対策として使われてきた手法ですが、同じ「狭い場所にしがみつく」習性を持つコウモリにも有効です。コウモリ板金と比べてコストを抑えやすく、特定の張り付きポイントに集中して施工したい場合に適しています。
コウモリ板金 vs つばめ返し どう使い分ける?
- 隙間から侵入している場合 → コウモリ板金で塞ぐのが確実
- 隙間はないが外壁・軒天に張り付いている場合 → つばめ返しで張り付きを防ぐ
- 広範囲に対策したい場合 → 両方を組み合わせる
外壁塗装と同時施工がおすすめな理由
コウモリ板金やつばめ返しの設置には、軒天まわりの高所作業が必要なため、足場の設置が必要になります。コウモリ対策だけのために足場を組むとそれなりの費用がかかりますが、外壁塗装や屋根工事と同時に施工すれば、足場代を共有できるため費用を大幅に節約できます。
また、外壁塗装のタイミングで外壁の色に合わせた板金カラーを選べるため、仕上がりの統一感が出て見た目の違和感も少なくなります。「外壁塗装を検討している」という方は、このタイミングでコウモリ対策もあわせて相談してみるのがおすすめです。
まとめ
- コウモリは4月〜夏にかけて繁殖期を迎え、家屋の軒天まわりに集まりやすくなる
- 隙間があれば侵入するが、隙間がなくても狭い場所を好む習性があるため外壁・軒天の近接部分にも集まる
- 物理的な対策としてコウモリ板金(隙間の閉塞)とつばめ返し(張り付き防止)がある
- 外壁塗装と同時施工にすると足場代が節約でき、見た目も自然に仕上がる

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