「貯蓄型保険はお得」のウソ|元本割れでも解約が正解な理由
「保険で貯蓄もできて一石二鳥」——そう思って加入した保険を、何年も見直していませんか?
20年以上この業界を見てきた私が、保険会社の営業マンが絶対に言わないことを正直に話します。
なぜ今の保険は「貯蓄型」ばかりなのか
生命保険の営業マンが積極的に勧めるのは、ほぼ確実に**貯蓄型(終身保険・養老保険・変額保険)**です。
理由は単純です。
保険会社にとって、最も利益が大きい商品だからです。
掛捨て保険(定期保険)は死亡保障だけを提供するシンプルな商品です。保険料が安く、保険会社の取り分も少ない。一方、貯蓄型保険は「保障+運用」を一つの商品に詰め込み、長期間にわたって高い保険料を受け取れます。
営業マンの報酬(コミッション)も、貯蓄型の方が圧倒的に高く設定されています。
「お客様のため」という言葉の裏に、販売側の強烈な利益動機がある。
これが、貯蓄型保険が市場に溢れている本当の理由です。
貯蓄型保険の正体を分解すると
貯蓄型保険を構造的に分解すると、こうなります。
貯蓄型保険 =「率の悪い掛捨て保険」+「率の悪い資産運用」
保障部分:同じ死亡保障額を掛捨て保険で買えば月数千円で済む場合がほとんどです。しかし貯蓄型に含まれる保障コストは割高に設定されています。
運用部分:保険料の一部が「積立金」として運用されますが、保険会社の手数料・運営コストが差し引かれた後の利回りは、15〜20年後でも元本の101〜110%程度。インフレを考慮すると実質的にはマイナスになることもあります。
つまり保障も運用もどちらも効率が悪い。にもかかわらず「一石二鳥」という言葉でパッケージ販売されています。
「元本割れしてるから解約できない」は間違い
ここが最も重要なポイントです。
今すぐ解約すると返戻金が払った保険料より少ない——だから解約できないと思っていませんか?
これはサンクコスト(埋没費用)の罠です。
すでに支払った保険料は、解約しようと満期まで持ち続けようと、取り戻せません。
問題にすべきは「これから何をするか」だけです。
たとえば今の返戻金が200万円で、払った保険料の合計が250万円だとします。「あと数年待てば元本を超えるかも」と考えるかもしれません。
しかし考えてみてください。
その200万円を今すぐNISAに一括投資し、さらに毎月の保険料(仮に3万円)もNISAに回した場合——5%運用で10年後にはどうなるか。
| 10年後の資産 | |
|---|---|
| 保険を満期まで持ち続ける | 払込元本の101〜105%程度 |
| 今すぐ解約してNISA一括+積立 | 返戻金+積立分が大きく成長 |
過去の損失は取り戻せません。しかし、これからの時間は取り戻せます。
「満期まで持てば元本を少し超える」としても、その期間ずっとNISAで複利運用できたはずの機会損失は永遠に取り戻せないのです。
解約したら何をすべきか
答えは明確です。
① 解約返戻金 → NISA口座に一括投資 返ってきたお金はすぐNISAへ。時間を無駄にしないことが最優先です。
② 毎月の保険料 → そのままNISAの積立に振り替え 月3万円払っていたなら、翌月からその3万円をNISAへ。生活水準を一切変えずに資産形成に切り替えられます。
この2つをやるだけで、貯蓄型保険を持ち続けた場合と比べて数百万円単位の差が生まれます。
では、何が正解か
率のいい掛捨て保険 + 率のいい資産運用(NISA)
掛捨て保険で純粋な死亡保障を最小限のコストで確保する。
NISA(eMAXIS Slim全世界株式)で、残りの予算を最大効率で運用する。
同じ月3万円の予算で比較すると——
| 資産(15年後) | 死亡保障 | |
|---|---|---|
| 貯蓄型保険 月3万円 | 約545万円 | あり |
| NISA全振り 月3万円 | 約802万円 | なし |
| NISA月2.6万+掛捨て月0.4万 | 約695万円 | あり(1,000万円) |
「保障も資産も」を貯蓄型保険で一括にすると、両方が損をする。分けることで、両方が得をします。
子育てが終わったなら、答えはさらにシンプル
死亡保障が最も必要なのは扶養家族がいる期間です。
- 住宅ローンの返済中
- 子どもの教育費がかかる時期
- 配偶者が収入を持たない時期
子どもが独立し、住宅ローンも終盤を迎えた50代以降は、高額な死亡保障の必要性は大きく下がります。団体信用生命保険(団信)もあります。
子育てがほぼ終わっているなら、NISA全振りも十分に合理的な選択です。
今まで払い続けていた保険料を、そのままNISAの積立に回す。それだけで15年後の資産は大きく変わります。
今すぐできる3ステップ
① 保険証券を引っ張り出す 何に・いくら・何のために払っているかを確認する。加入時期と今の家族状況を照らし合わせる。
② 「解約返戻金シミュレーション」を保険会社に依頼する 今解約するといくら戻るかを確認する。元本割れでも気にしない。問題はこれからです。
③ 同じ保障額を掛捨てで取り直したらいくらか比較する ネット生命保険各社の見積もりは5分でできます。差額とNISAへの振替額を計算してみてください。
過去に払った保険料は戻らない。でも、これからの時間はあなたのものです。
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保険は「万一のとき家族を守るもの」です。保険会社を守るためにあるのではありません。
イエアル

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